材質の組み合わせはバランスを考えて
表・中・裏それぞれに材質が選ばれる
段ボール板を製造する機械はとてもとても長い機械である
最後に最もポピュラーなA段の段ボールは厚さがほぼ4.5mm程度で、いろいろな意味で中間、つまりは最も普及品で広く扱われています。最近では重量物包装で木や鉄に代わって活躍するトライウォールといった超厚の段ボールやボール紙に対して同じ薄物でありながらコシのあるマイクロフルートなど多様な厚みの段ボールが出回っています。
これらの厚みは「良い」「悪い」といった単純な判断でなく、それぞれの包装形態や中身の状況によって使い分けられます。
厚み(段の高さ)は何種類もある
ダンボールは英語ではない
段ボールに詳しい方になると、表だけは強度のある、いわゆる高い紙を使い、裏側を安価な紙にしてコストダウンを図ろうとする方もおみえになりますが、これはあまりオススメできる方法ではありません。なんといっても「紙」は所詮自然素材です。表と裏の紙の密度や強度が違えば、当然のことながら「ひずみ」も生じます。湿気の多い季節や乾燥しやすい季節には、それが顕著に出てきます。いわゆる段ボール板特有現象である「ソリ」や「ちぢみ」といったひずみがバランスの悪い組み合わせほど出やすくなります。研究資料によれば5mmほどの紙の伸張にも影響するそうです。コストをお考えになるのでしたら安価な方に揃えるのも一考。当社でも、できるだけ表・裏同一の素材使用を提言しております。
段ボールには厚みだけでなく、表、裏、中の芯にそれぞれの材質が選ばれます、これも実際には整理しきれないほど多数の組み合わせがあるのですが、おおまかにわけてしまえば、ジュートライナーと呼ばれる汎用品とKライナーと呼ばれる、やや強度に優れたものがあります。これも価格としてはKライナーの方が高いのですが、それを選択することが最良の包装というものでもなく、中身や配送、梱包方法によって最適な材料が選定されることになります。
これらの段ボール紙はどうやって作られるかといえば、表の紙も、裏の紙も、中の波状の芯も、もとは似たような紙なのですが、コルゲーターという大型の機械で貼り合わせて出来上がります。
この機械は並のものでも全長200mほどありますので、いわゆる入り口から出口までが200mあるわけです。ですから同質、同幅の材料を最低でも200mはつなげないと、機械の出口に到達できないことになります。
従って、段ボールケースが小ロットに向かないのではなく、同質材料の小ロット加工についは材料取りの段階から無理があるということになるのです。
となれば、段ボールには当然「厚み」があるわけですが、現在のところ様々な厚みの段ボールが出回っており、それをここで全部紹介するのはかえって説明をわかりずらくもしますので、汎用品として代表的な3種類を紹介します。
まずは薄い方から、Bフルートと呼ばれる厚み約2.5mm程度のものですが、内装箱や比較的小さな外装箱に用いられます。「薄い分」弱そうですが、箱の形状や用いられ方によっては、そうでない場合もあるぐらいで、線のはっきりしたキレイな箱になりやすい特徴があります。
次に最も厚いW(ダブル)、正確にはAB段と呼ばれる8mm程度の厚みのある波が2層となった段ボールです。これは見た目の通り強度に優れますので、重量物や取り扱いに十分な保護を要する品物の包装に適しています。

ダンボールというのは実は段のあるボール紙からくる和製造語「段ボール」なのでして英語ではございません。英語で表記するならばCARTONBOXさらに正確にいえばCORRUGATED CARD BOADとなります。そんなことはこの際どうでもよいのですが、つまりは皆様良くご存知のように真ん中に波状の芯をはさんだサンドイッチ状のボール紙のことを言います。
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